千住大橋にほど近い石洞美術館。小さな美術館ですが、落ちついてみられる居心地のよい場所です。なんとか間に合いました。
なかなかみる機会のない沖縄の古いやきもの。琉球時代のものから近代のものまで、特に瓶子、渡名喜瓶、ゆしびんなどの酒器が見応えがありました。
もともとは土地で採れた土(赤土とよくいわれます)で、土器にはじまり瓦や瓦質の焼きものをつくっていましたが、17世紀のはじめに薩摩より渡った朝鮮の陶工が陶器づくりの技術を伝えたとされているそうです。
白化粧土をかけ一度焼き、絵つけや釉薬でもう一度焼かれたものなどは上焼(じょーやち)、釉薬はなく焼きしめのものは荒焼(あらやち)とよばれ、沖縄本島をはじめ石垣島にも窯場があり、新城島ではパナリ焼という貝殻などを混ぜたやきものも。
展示されていた荒焼は、鮮やかな赤やオレンジ色にも変化したものもあり、やはり沖縄の瓦と通じる色なのかなと思いました。
また上焼には、多くの技法があったことはよく知られています。今回の展示の中でも流しがけ、掛け分け、飛びカンナに刻線など。釉薬もしっとりとした美しい色で、種類があります。
沖縄の土は、決して扱いやすいわけではないと今の作り手の方々もよくおっしゃいます。
とてもやわらかそうです。また重さもあると思います。
それぞれに工夫されていることは形や大きさ、厚みなどに関係してくるのかなと思いました。



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